奇妙な時の行方

雑多なラクガキを主に、感想や絵、漫画とか。ツインテっ子贔屓。ジョジョが好きで、一部が一番好きです。NL、GL、BLなんでも好きです。主人公受けを好きになることが多いです。 拙い文ですが、愛を込めて書いてますので辛いことはしないでね。

DJss

一時間ぐらいの短いの。あんまりDJしてないです。

一応ディオジョナなんで苦手な人は注意。

 

 

 

 

本日中の大バーゲン


僕は君に本を買った。贈り物をするなんてそれもジョジョなんかに。
君にとっても僕にとっても初めてだった。手先まで綺麗な君は驚いてその妙に赤の目立つザラついた本と僕を交互に見た。タイトルと雰囲気で適当に選んだが、小遣いのおよそ3ヶ月分だろう。なかなかの出費だ。
渋る君に腹を立て、半ば押し付けるようにジョジョと本を押した。
少しはこれで君の教養が良くなるといいが。
そんな訳わからない言葉は捨て台詞にはかっこ悪いんで飲み込んだ。

ありがとう、大事に読むよ。

手の中から消え、ジョジョのところへと本は移動した。
はたして歩兵は騎士となるのか。僕は細かく咳払いをし、足早に立ち去った。

ダニーが死ぬ、エリナに出会う、その数週間前のことだった。


君は本が好きだった。俺ももちろん好きだ。知識は金だ。阿片の欠片ばっか吸ってアヘアヘいったり一時の快楽に身をやつすよりも随分と高尚で、役に立つ。
歳をとるにつれ、君は次第に読む本が増えていった。英語に訳されてない、ラテン語のように古い文字もなんとか解読していた。考古学者になりたいらしい。アホくさい。
古臭い遺跡だとかによく興味が持てるもんだ。石仮面には確かに、気になったことはあったがそれも別に。
本を読んでる時の君は褒めれる。何をしてるのか興味はないが、傷の多い手が半分持ち上げてノートを描きとるのを中断して次のページに進む。黙って厚い唇を尖らせるのはきっと癖だ。こういう時は大抵悩んでるか、考え事に身をやつしている。
精悍な顔つきは一つの本へと注がれる雄大な知識の波へ、彼方の世界を思い、空想を広げているのだ。思えばこいつは、普通はありえないことがきっと起こると夢見ていた。幼い好奇心が人一倍強いんだ。

昔、ほら、君と俺が出会ってそう間もなかったとき、俺が本を贈ったことがあっただろう?あの時代じゃ珍しい、ザラついた加工をした特注品。
お前は何気なく手に取っていたと思うが、俺は気が気じゃなかった。これは君が決して気にいるようなジャンルじゃなかったからだ。残酷でエンターテイメントの端くれにもならないチリ紙のような三流ゴシックホラー。吸血鬼をなんとも台無しにしている。これではただの殺人鬼だ。
結局君はそれに対して感想をくれなかった。何度か衝突して互い互いを見るのも嫌になっていたからだ。非常に残念に思う。
まだお前はあの不気味な世界観をワザとらしく滑稽にしている外見だけの本を所持してるんだろうか。
あれはどうか捨ててほしい。幼い日の小さな小さな、君に比べりゃすんごくちっぽけな好奇心が起こしたことなんだ。

そしてお前は今日も夢想する。

あのかさばった手はなにを捲るんだろう。そして、なにをあのノートに書き出すんだろう。あの石仮面はさっさと捨てりゃよかったのに。

そしてお前は今日も夢想する。

三流ゴシップホラーの残虐非道の吸血鬼。そんな生き物は存在しない。
それでもきっと考えてる。あの日見た、骨針を飛ばした仮面がきっと。
本より面白く世界を変えれるということに。

 

おしまい